2007年6月8日金曜日

自殺者9年連続3万人超

 1日88人は1時間4人弱という「計算」はそれほど意味のあるものではないが、異常な事態だと思う。
 豊かな生活が表面的に、他人と比べて実現したかに見えるが、現実に一歩踏み込むと、子どもの世界には「健康不安」「いじめ」が、高齢者には圧倒的に「健康不安」があり、これは自殺の原因として統計的に明らかにされている。
 「不安」という言葉は個人の心配事のようにも見えるが、もっと制度的な外圧の存在がある、制度の歪みの現れといってもよいのではないか、わたしも高齢者であって、この数年の医療福祉制度の政策的な切下げには怒りを感じる、健康な高齢者にあっても不安を呼込む効果が出ている。働く人は、倒産を免れたとしても、賃金切下げの中、長時間労働を強いられている。親がこんな状態では、親子の会話、スキンシップなど望外のものとなり、子どもたちは頼るべきものがない、これらの現象は独立したものではなく、相互に関連しており、その背後の政治の影は濃いものがある(上品な表現になったが)。
 ところがなんとこの自殺者を8年かけて20%減らすという数値目標が「閣議決定」が為されたという報道がある(毎日夕刊8日付)、中味を読むと実態解明からなどと書かれている。原因は私などがみても、社会が明るく不安のない方に向かってないこと、これはいまや自明ではないのだろうか。実態調査の結果で新しい自殺の原因が出てくるのか。この数値目標は不思議で仕方がない。
 生きてゆくのに何が必要で、なにが欠けているのか、私たちもわからなくなってしまったのだろうか。
 

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