2007年10月20日土曜日

企業コンプライアンス;赤福の場合

 全国でお菓子の土産物の売り上げNO.1とか聞いていた赤福、三重県人としては格好の土産物であって、県人であっても自家用に買うことがあるくらい「内外」に親しまれた、強いブランドの和菓子であった。企業としても県の顔のような存在であった、ただ地元では、伊勢内宮の本店の赤福と工場製赤福とはレシピが違うということは流布され信じられていたように思う。
 ある時期まではまでは店頭で売り切れもあって、事前に買っておかないとという「心配」もあったように記憶する(何年前かは定かではない、販売地域の限定はあるようだし、短い賞味期限であるから当然のことだった)。
 その後そんな心配は不要になった。量販体制ができ上がったのだろう(これがニュースでも出てきた30年まえのことか、当時社長は現会長、現伊勢商工会議所会頭)、生産量に比例して当然売れ残りは増える、問題の「まき直し(再包装)」もシステム化されたのではないか。表面的には返品対策として別の商品開発があって、「これが変身した赤福か」といいながら煎餅を食べた記憶がある。業界に多少知識のある人なら、これが返品対策として十分補完的なものではないことが判ったいたのだろうが、素人はそこまで考えない、大きな黒い「穴」そこにはあって、その穴埋めシステムも出来ていたのだ。確信犯的な行為といえる。言い換えれば、いつでも買える不確かな商品になった。
 賞味期限が短いことを品質保証に結びつけて、メリットとして位置づけるべきではなかったか? 三重出身のものとしてほんとうに残念な事態である。
 ご愛顧にこたえるという姿勢(生産規模拡大、利潤追求)と、企業としての矜恃(品質確保、社会的責任の自覚)のジレンマは走り続けている企業にとって古くからの課題といえるが、そこにコンプライアンスの意味があるのだろう。神の見えざる手はいまや縛られている。確かに大衆の欲望は無責任で刹那的なのだ、これも自明なこと。残念ながら赤福の実態は、先行して暴露された肉加工、チョコレート菓子、洋菓子の偽装企業群に早くから仲間入りしていたのだ。
 関西には「おできと商売は大きくなるとつぶれる」という至言がある。
 
 

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