
飢えた肉食獣を仮定しても、突然何処からともなく現れる訳がない。
人間の場合もっと複雑だ、地球温暖化による異常気象はあのエネルギー消費大国が対策を怠っているという説があるが、事件の背景というものは必ずあって、今回の凶行も明らかに背景はある。
それは人らしく人を扱わない労働環境=労働者派遣という制度、優れた経営という「賛辞」を受けている企業の長時間労働の恒常化、名目だけの管理職制度による人件費抑制、セットされた「残業料不払い」、過労死に無神経な「日本的経営風土の美風」どれひとつを採ってもそこで働く人が「人間らしい感覚」を失わせる要因ではないか。「少子化」などもこの流れの中でかなり説明がつく。
この青年の実態が見えてくると上記のような私の直感(パタナイズとは言われるだろうが)はそんなに外れたものではないようだ。
模倣犯といわれ類似の事件が続くことは個人レベルの「責任追及」には限度がある証拠だろう。
「強制された自主性」という見方もあるが、自分で決めた訳でもないのに過重な労働に従ってしまう、周りがそうしているから?、労働者を表面だけ請負契約ということにして総て自己責任なんてマヤカシにもっと敏感になることも必要だが、いまの労働法制の「空洞化」も有効な歯止めは見えない。
日本人は賢いからこんなことも克服して「生きている幸せを感じられる国」に向っていけるのか(従病も手つだって私はこうは思えない)。
うちの子どもたちももういい年になってきているが、このような風潮とは無縁ではなく「セッセ」と働いている。
私の現役時代より退歩しているとしか思えない。
(画像上は「蜃気楼」鈴木徹作/札幌芸術の森・野外展示-7)
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