旅行記は好きなほうだ。筆者は巨漢(188cm、靴は27cm、)のニュージーランド人、当然ラガー、31才。異常気象(地震、台風、冷夏)の1993年5月20日九州最南端佐田岬発、最北端宗谷岬まで日本海側3200kmを徒歩で99日かけて歩いた記録、会話は日本語、妻は日本人。
道中のクレイグは、圧倒的に「アメリカ人」と見られた、「なに人」って聞く人は皆無に近い、聞かずにわれわれは「断定」するのだ「ガイジン=アメリカ人」、この思い込みの「重症」ぶり。直感してしまうとクレイグが日本語で「わたしはニュージーランド人」と自己紹介しても、英語で喋られてかのようにしか聞えないのだ、思い込みの修正はめったになされない、全行程で発生するこの異文化理解以前の落し穴、思い込むと聞けども聞えず、見れども見えず、そこいるのは日本語上手な「アメリカ人」、それでも交流はあるのだ。
良く経験することではあるが、先入観・固定観念から自分を解放してあるがままに見る聞くことの大切さを改めた認識させられた、自戒自戒。ここが最大の収穫でした。14年前の日本人はとても友好的であった、いまはどうなんだろうって心配になった。(小学館文庫、1998刊)
0 件のコメント:
コメントを投稿